京都御所の壁工事
京都御所の壁工事で、先の例とは別の寛永一九(1642)年3月から4月にかけて作成された四通の検地帳では、表題.職名ともすべて「左官」に統一され、その混乱にもようやく終止符がうたれています。
ここでいま一度、呼称の変化についてとりまとめておくとしましょう。
まず慶長初年までは平安中期に始まる外壁リフォーム・壁大工等の名が通用し、サカンという言葉がその意味で使われたことはない。
左官が壁塗り職を意味するようになるのは慶長も後半(17世紀初)で、しかもそれは地方(宇都宮)で初見し、中央では元和初年、なお壁塗等の中世的呼称が公式に用いられていました。